第10話 糖蜜

 サトウキビ畑に侵入して、無数に生えるサトウキビを数十本盗む。その後、かっぱらったサトウキビを、独自に開発した機械で思いっきり絞りつくす。本来なら大掛かりな機械で数時間かけて行う工程も、俺の開発した道具でなら、ものの数分で終わってしまう。圧縮されたサトウキビからは、濃厚な液体が流れ出る。発生した汁液を濃縮し、粗糖を取り出す。粗糖は加工すれば上物の砂糖となるが、俺が求めているのは、工程の過程で出来た残留糖液だ。

 糖液を美味しく食べられるように、これまた独自に開発した機械で濃縮率を調整する。あんまり濃すぎてもナンセンスだ。

 そしてようやく出来上がった糖蜜を一口、スプーンですくい上げて賞味する。

「……甘ぁ~ぃ」

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