第13話 いつ
まったく縁もゆかりもない田舎で、迷ってしまった。田園と畦道の代り映えしない景色をひたすら眺めながら歩いているうちに、バス停を発見した。
もしかしたら大通りに行けるかもしれない。近づいてバス停の時刻を確認する。
だが、バス停の時刻表は経年による劣化で、文字が擦れて読めなかった。
バスはいつ来るのだろう。
田舎ということを考慮すると、本数は一日に二、三本だろう。だとすると、もし今さっき発車したとしたら、次発の到着は絶望的だ。そうでないにしろ、いつ来るか知れないバスに乗る好機を待つなら、ここから迂闊に離れられない。
陽が落ちきる前、現地人らしき老人がやってきた。慌ててバスの時刻を聞くと、
「あぇー、ここんバスはずぅーと前に通らなくなっちまったぁよぉ」
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