第28話 宴席

 もう何次会目の宴会だろうか。

「人間さま! さぁさぁ、遠慮なさらず!」

 体が勝手に杯を向け、そこに酒が酌まれてゆく。

 2020年の年始めの夜、俺は不思議な宴会に招かれた。最初の数回は楽しめたが、どれだけ楽しい宴だろうと、無限に近い回数を繰り返せば逃げたくなる。

「なぁ、俺はいつまでここにいればいい……?」

「鯛の活け造りもありますよ! どしどし楽しんでくださいませ!」

 既視感しかない活け造りが差し出される。

 俺は今、n回目の2020年一月一日を彼らに持て成されながら過ごしている。

 助けてくれ。

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