第8話 カンガルー
突然だが、俺は今生死の瀬戸際に立たされている。支給された銃器は弾倉が底を尽き、右のふくらはぎを弾丸が貫通していた。支援部隊も続々と敵にやられていく。敵か味方か分からない銃弾が、民間人のいない都心を飛び交う。
「隊長! 先ほど、B部隊との通信が途絶えました。恐らく」
「分かった……ちっ、アレを使うべきか……」
俺は本部へレベルⅢ・緊急信号を発する。そして、数分後。
「“カンガルー”が来るぞ! 退避しろ!」
俺が隊員へ叫んだ瞬間、200メートルあるビルを跳び越えてそれはやってきた。人型の兵器は跳びながら敵陣へ一目散に突っ込み、蹴る殴るの白兵戦を仕掛ける。巨大兵器の四肢が動くたび飛散する瓦礫を、俺たちは避けながら撤退した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます