第22話 水面下

 私はつい一時間前までは、大学のゼミの仲間たちと共に、学外研修で某県のレジャー施設に来ていた。近くの民芸館へ寄ったあと、私たちは予め予定されていたキャンプ場で昼食を摂ることになった。

 腹を満たし、休息をとっていると、友人の寺野てらのが話しかけてきた。そこから寺野と他愛の無い話しをし、ふと寺野が、静かな場所へ移動しようと持ち掛けた。私はリュックを背負ったまま、二人で湖畔の畔へ移動した。

 すると、寺野は急に、どこからか取り出したナイフを、私の腹部に突き刺してきた。私が激痛に戸惑うと、彼はそのまま私の体を湖畔へ突き落した。私はもがいたがリュックが重く浮かばない。体はみるみる水中へ沈んでゆく。

 水面下で蠢く人の思惑は分からないなと、体が沈みゆく中、私は思案したのだ。

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