第2話 じゃがいも
今日、監督が俺を叱っているときに「じゃがいも野郎」という言葉をよく使っていた。
じゃがいも野郎とはなんだろうか。俺はその疑問を抱いたまま、バッティング練習に向かった。打ち込みメニューの半分が終わり、休憩時間になったので、俺はトレーニングパートナーに、じゃがいも野郎について意見を求めてみた。
「あぁ。それって、“芽が出ないやつ”って意味だと思うぞ」
そうか。何年経っても目立った活躍も出来ずに、万年ベンチウォーマーな自分を監督は、芽が出ないまま出荷されるじゃがいもに例えたんだ。
「でも、じゃがいもの芽って毒あるらしいから、出ないほうがいいのかもな」
芽が出ないほうがいい。その言葉が煮えものように、脳裏にこびりついた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます