第15話 ロミオ
庶民たちの怒号で目覚めたジュリエットが寝室の窓を開けると、黒海のような民衆たちが各々農具や剣を携えて、宮廷の中へとなだれ込んでいた。城を護る番兵や砲兵も健闘していたが、圧倒的な群衆による数の暴力の前では無力同然だった。
ジュリエットは父と母の名を呼んだが返事がない。すると、彼女の声を聞いた庶民が武器を振るい、部屋の扉を壊して侵入してきた。
あえなくジュリエットは捕縛され、一段と高い演台の上へ連れてかれた。そして台の下からあがってくるリーダーの顔を見て、彼女は絶句してしまった。
「あぁどうして、どうしてこんなことを……ロミオ!」
「家柄が僕たちを阻むのなら壊すまで。愛に勝るものはないのですから」
革命軍のリーダーは、太陽のように輝く瞳をジュリエットに向けていた。
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