第3話 何も無い日々を過ごしてゆくのか

 起床する前にひとつ、悪夢をみた。内容は覚えていなかった。

 起きてからの数分は、夢の全容を思い出そうとしたが、結局諦めてしまった。

その後はいつもと同じように、朝食を食べ、歯を磨き、制服に着替える。家を出て、徒歩で最寄りの駅に向かい、満席の電車に乗る。

 悪夢の内容は思い出さなかった。

 高校に着き、授業を受け、友人と駄弁る。学食を食べ、午後の授業を受け、放課後を迎える。帰りの満員電車に乗り、帰宅し、夕食を食べ終える。歯を磨き、明日の支度をし終え、布団に入る。微睡みが深くなりかけたその時。

 悪夢の内容を思い出した。

 それは、今日のような何も無い日々を永遠に繰り返す夢だった。

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