第17話 妖精の羽化
君たちは、妖精の羽化を見たことがあるだろうか。
ふむ、ない。では私が妖精の羽化について説明しよう。
まず、妖精は排卵をする。月に三度それは行われるが、その殆どは外敵に捕食されてしまう。運よく生き残った妖精の卵は、二週間ほどで妖精の幼体に変態する。
幼体は雑食で、何でも食べる。多様な物を食すことで、胃に活性酵素が構築され最終的には文字通り霞を食うだけでも生きて行ける。栄養を蓄えた幼体は蛹に変わる。妖精の蛹は手のひらに収まるサイズで、赤黒く、饅頭型をしている。その状態で三か月を過ごす。
そして三か月後、蛹は上部からひび割れ、中から人型の生態が生まれる。個体差はあるが、殆どの妖精には翅が生えている。これが妖精の羽化である。
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