第23話 アーチ雲

 今日は私が実家を旅立つ日。十八年お世話になった家を離れて、私は東京へ上京する。

 お母さんは私の上京に対して真摯に考えてくれた。お父さんは最初、東京何てお前にはまだ早い、って頑固になってたけれど、私が東京で魔法の勉強をしたいて強く説明したら、最後には泣きながら許してくれた。

 引越しの馬車に荷物を載せ終わり、私はいつ戻れるか分からない実家を眺める。

「うぅ、美咲……悪い男に引っかかるなよぉ……! 元気でなぁ!」

 お父さんは嗚咽交じりに応援してくれる。と、お父さんは天へ向けて手を動かす。すると空の雲は一人でに動きアーチ状に幾層も連なった。昔から私の行事の度にこうした魔法のパフォーマンスをしてくれる。けど、これはやりすぎ、かなぁ……。

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