第24話 雷雲

 「カミナリグモが来るぞぉぉぉ!」

 隊長がヴォルテージを上げて叫ぶ。それもそのはず。

 刃渡りの長い剣や戦車などを率いて、討伐隊がいまかいまかと待つ。と、曇天模様の雲間から白磁の閃光が飛来し、直後空気を裂くような振動が鳴り響く。

 やがて落雷の地点から猛スピードで討伐隊へ迫る何者か。それは山よりも大きな体躯をし、全身を黄と黒の危険色に染めた大蜘蛛だった。

「撃てぇ!!!」

 隊長が発すると、数台の戦車から砲弾が雨のように蜘蛛へ飛び、体が爆砕する。

「油断するな! 確実に仕留めるのだ!」

 砲弾を受けても無傷な蜘蛛へ、今度は剣部隊が斬りかかる。闘いは始まった。

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