第19話 紙
呪いの方法は様々だが、よもやこんな簡単に出来てしまうとは。
工程は非常に単純。呪いたい人の名前を赤いペンで白い紙に書き、特殊な折り方で紙を折ったのち、燃やす。これで名前の相手が死ぬ、らしい。ただし、紙を折るときに自分の指を誤って切ってしまうと、共に呪い殺されてしまう。
私はこの呪いを使い、最初はあの女の名前を書いた。呪いの効果がでたのか、実行から二日後、あの女はトラックに撥ねられた。即死だった。
その時は溜飲が下がったのだが、生きていると悩みは尽きない。今度の呪いの標的は今の彼氏にした。慣れた手つきで彼氏の名前を赤字で書き、紙を折り、ライターで燃やした。これで彼氏は死ぬ。安心した矢先、私は、背筋が凍りつく。
指が、切れていた。
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