第16話 カッターシャツ

 航空機から勢いよく飛び降りて、高度1万mの上空を落下する。真正面から受ける空気抵抗そのままに、目標地点に膝から着地する。スーパーヒーロー着地は膝に悪いが、カッコイイのでよしとする。

 すでに現場は弾幕が飛び交い、迫撃弾の炸裂する混沌と化していたが、この際気にしない。予め着衣していたカッターシャツにシワがないのを確認すると、標的を定めて一目散に駆けだした。

 ほぼ地面と平行な前傾姿勢で接近する。敵兵はまだこちらに気付いていない。シャツの袖が撚れてないのをはた目で確認し、敵兵の首目掛けて思い切り伸ばした。

 敵兵の首はスポンジよりもさっくり切り落とされる。

 今日も絶好調だ。特殊金属の刃で出来た着衣兵器“カッターシャツ”の袖が光る。

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