第15話 デモ
デモ隊は今日も日中から、自宅近くで抗議活動を行っている。せっかく、今日は俺の休日なのに。十数人が活動に参加していて、ある人はメガホンを、ある人はプラカードを、ある人たちは横断幕をでかでかと引っ提げている。
「――! ――!」
何を言ってるのかさっぱり分からない。ただやけに響く大きな振動が家の窓を通してこちらの体にも伝わるのみだ。
昼食を食べ終えた後、ふと俺は、ただの好奇心からデモ隊の抗議内容が気になった。びりびり微振動する窓越しに、提げられた幟の文字を読んでみる。
〈しょうがい者に自由を! 権利を! 幸せを!〉
はた迷惑だなと思った。耳の不自由な俺でさえも、耳障りなデモ活動だ。
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