第14話 ミカヅキモ

 ここ数年間、国内の穀物が凶作に見舞われることがあった。農林水産省は原因の究明に努め、そして今年、その原因が判明した。

 原因は「ミカヅキモ」だった。池や湖に生息する単細胞生物である。水中に生息するミカヅキモが水田や作物の水に紛れ込んでいた。数年前、そのミカヅキモが突然変異を起こし、あらゆる植物に害をなすようになったのである。

 影響はより大きくなっていった。水はミカヅキモを運び植物の隅々まで行き渡り枯れさせていった。餌の穀物が摂れなくなり、牛や鶏なども痩せ細っていった。人間の食べ物は日に日に貧しくなり、人類の生殺与奪はミカヅキモに握られていた。

 事の決着は早めに着いた。数年経つ後、世界は温暖化の影響で気温が高くなっていた。水は干上がり、ミカヅキモは死に絶えていき、呆気なく自体は、収束した。

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