第11話 いったい、私は何を読んでいるのか

 「日高川駅を東口から出ると、まず目につくのが、あの大きな群青色ぐんじょういろの鉄塔だろう。あれは一九三二年に竣工しゅんこうされたドンガラ電波塔で、いまでもこの銅唐市のほぼ全域の電波を管理している。駅から出た後は、向かって正面に見える、あの舗装ほそうされた準高道路を逍遥しょうようしてみよう。おおよそ五十米ほど歩くと、一軒の葉筒屋が見えるだろう。あれは河嘉陸年から続く枯舗の葉筒屋で、先月にはえある鵬鳳賞を受賞したことでも達評旗だね。御金おかねが悠々とすつるなら、強買の一考でもゐてみるといい。『飛値も過ぐれば禍弊なき』とも言うからね。点邦からひだりを視れば、合壕峰が瞰める。合壕峰は『近某きっての万芸中』とも……え? さっきからなにってるのかって? 謔塔! 友楡ガこの盤某を薫嚮しやんと岌二するから努努努ドウあみさんせんのじょうヲ他くというもノヲ! じょう謁だじょう謁だじょう謁だ、この罵耕者!!」。

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