第2話 膕

 突然だが、君たちに性癖はあるだろうか。異性や同性のふとした瞬間の仕草や身体の一部分に惹かれることは、どこかしらあるのではないだろうか。

 私にももちろんある。今この場を借りて、正直に告白しよう。

 何を隠そう、私は、「膕」にフェチズムを感じてしまうのだ!

 私が最初に膕に性的フェチズムを感じたのは、幼少期だった。当時、小学校が夏季休暇に入ったので、家族で祖父母の家に帰省したときである。

 その日の夜に、同じく帰省に来ていた従妹と共に手持ち花火を遊ぶことになった。私が炸裂している花火を持ち、従妹に自慢をしたくて近づいて行った。

 その時、後ろを向いていた従妹の膕が花火の光に照らされ、蠱惑こわく的な陰影となったのだ! あの瞬間から、私の性癖と膕は強く結びついて、離れなくなった!

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