第8話 一週間経ったけどどうか

 「おはようきりくん。今日で丁度一週間、いつも通り採血をしたら、治験の雇用期間は終了。お疲れ様だね」

 「いえ。幼い頃から病気がちで、何かに罹る度に先生にお世話になってましたし。治験という形でも、先生に恩返しできたらと思って。……僕、医学系の大学に進学したいんです」

 「へぇ、それは初耳。なんで?」

 「先生みたいな立派な人になりたくて。治験も人助けの一環で受けたんです」

 「……立派なこと言うようになったね。分かった、桐くんが無事大学に受かったら、一緒にディナーに行こう。それを私への恩返しとしようじゃないか」

 「はい。先生、ありがとうございました。久しぶりに会えて嬉しかったです」

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