第7話 パイプの音は、どこからきたのか

 男は水道管の修理に来ていた。依頼主は一戸建てに住む夫婦二人、キッチン周りが水漏れしているとのことだった。

 見たところ、部品交換で直りそうなので、早めに作業に取り掛かり始めた。

――ふと、異音がした。「オォー、オォー」と高く響く音。最初は室外機か何かの駆動音だろうと気に留めなかったが、音は男に訴えるように「オォー」と唸る。

 さらに、音はどうやら『近づいている』。「オォー」と聞こえた音が、次には「オォー、ァ―」と。もう数秒経つと「オォー、ァ―、ェェ―」。そして、男がもうすぐ部品交換し終えようとしたとき、はっきりと水道管の奥から声が聴こえた。

 

 『オォォォニイヂャァァァンンン!!! タァズゲデェェェェエエエエエ!!!』

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