第16話 置き手紙

 今日も早朝から防衛戦をくぐり抜けてきた。敵の攻撃は日に日に過激さを増している、油断できない状況だ。基地に帰還すると、デスクの上に何やら手紙が置かれているのを見つけた。手紙には次の文章が書かれていた。


   諸君に告ぐ。我々は敗北した。

   今まで、ご苦労だった。


 ……嫌なものを見てしまった。これは敵がこちらの士気を下げるために仕組んだ罠だ。こんなものにぬけぬけと騙されるはずがない。早いとこ床に就き、明日の戦いに備えよう。そして俺は、誰一人いない基地の一角で就寝した。

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