第5話 蛇口から出てくるのは水か
「なぁハル、今でもあの蛇口から水が出てくると思う?」
「ヒロ、また変なもの気になって。もう出ないだろあれ」
「ハルは出てこないに賭けるんだな。じゃぁ俺は出てくるほうで」
午後の体育の時間。徒競走が早めに終わった男二人は暇つぶしを探していた。
そこで白羽の矢が立ったのが、校庭の隅にある錆びた一口の蛇口だった。それ自体は十数年前に使われなくなったが、今でも水道が通っていると噂されていた。
「じゃっ、捻るぞ」
ヒロが栓を捻る。水の出てくる気配はなかった。
「ほら、やっぱり出てこな……っ! うわぁっ!?」
二人が絶句する。蛇口から出てきたのは水ではなく――大量の蟻だったからだ。
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