第2話 うろこ雲
短い期間だけ、とある部落に滞在したことがある。その部落は周辺の他の部族よりも領地が広く、また商人や外国人の姿から潤沢であることが伺えた。
私は人類学者としてその部落に滞在していたので、長の計らいで色んな話を聴くことができた。なかでも興味深かったのが「この部族は雲を読むことができる」という話だった。
雲を読む。私は聞いた限りでは検討が付きかねたが、それこそがこの部族が発展した要因なのだよと、長は明るく話していた。
ある日、長が私を呼んだ。雲を目の前で読んでみせるという。長が空を指し私も目を移す。すると、空にはうろこ雲が現れていた。長は「あれは雨と読む」と語った。確かにうろこ雲が出た後日は悪天候になりやすいが、長は知らない風だった。
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