第23話 沈み
この街はもうすぐ、火山灰の雨に沈む。
通りに人影はもういない。私が最後の住人だ。
私がここに残ったのは、文明国家としての記録を遺しておくためである。
後世の人々に告げよう。絶対の平和などはありえないと。
私は地質学者としての経験則から、ウレナ山が大噴火することを必死に訴えてきた。だが、市井の者たちは誰一人気に留めはしなかった。その結果がこれだ。
街はもうじき死ぬ。私もこの記録を書き終えたら、街と心中するとしよう。
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「これが紀元前に大噴火があったX地帯から発掘された、記録文書の全文です」
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