第14話 獲物はどちらか

 コンドルは獲物を探していた。もう丸二日も肉を口に入れておらず、ただ休み休み、枯れた山脈を飛んでいた。

 今日こそはと草木の少ない大地を飛んでいると、コンドルは一体の獲物を発見した。山の背に岩のように横たわるそれは、人間の男の死体だった。久しぶりの馳走だと、コンドルは死体に照準を合わせ、急降下する。

 死体の傍にまで降りたコンドルは、改めて死体の息の根が無いことを確認すると

死肉をみ始める。暫く食い進め、男の死体は骨と少しの肉になってしまった。

 コンドルが満足げに肉を味わっていると――男の死体はむくりと起き上がり、

 「イタダキマース」

 と言うと、傍らのコンドルを掴み食い破ってしまった。死体もどきは再び眠った。

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