第24話 河童だのみ

 霧の深い山道で迷ってしまい途方に暮れていたとき、奇妙な者に出会いました。

「Quax、人間かい、道に迷ったんだねぇ」

ぬらぬらとした緑色の皮膚、頭の皿、口部にある巨大な嘴。それは、河童でした。

 河童は親切にも、山麓へ帰る路を案内してくれました。

「あなたのような人間はよく、私たちの国に訪れるんですよ」

「へぇそれは。どんな人間がやってくるんですか」

「色々いますよ。ちょっと前には、小説家の青年さんがいらっしゃいましたなぁ」

 麓に近づいたところで、私は河童と別れることにしました。

「Quew、お元気で」(河童はよく“Q”から始まる言葉を発していました)

 私は河童に礼をし、無事に帰りました。今度は彼らの国に訪れてみたいです。

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