第19話 いつまでも

 午後四時。放課後。傾き始めた太陽が、俺のいる教室中を黄檗きはだに照らし、先輩の姿を一際美しく彩っていた。俺の呼び出しに、快く応じてくれた先輩の姿を。

 俺は顔中が火照るのを感じながら、先輩の姿を見る。先輩はいつもと変わらない淡い笑顔で、俺の言葉を待っていた。あぁ、俺は先輩のその優しさが好きなんだ。

 午後四時半。多分先輩も分かっている。後は俺がこの思いを告白するのみだ。しかし、最悪が脳裏をよぎると、また何も言えなくなってしまう。日は沈み始める。

 午後五時。もし俺の想いが受け止められなかったら? 背筋に汗が滴る。先輩とは離れたくない。いっそこのまま、この時間がいつまでも続けばと願ってしまう。

 午後五時。日は沈みかけ、先輩は微笑む。

 午後五時。日は沈みかけ、先輩は微笑む。午後五時。日は沈みかけ、先輩は……

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