第11話 ライプニッツ
銃撃の音と爆炎、塹壕の土煙の中、戦友がこんなことを呟いた。
「俺、祖国に妻がいるんだ。飛び切り美人でさ。今度お前にも合わしてやるよ!」
「そりゃあ楽しみだ、モテないで有名な俺にどんな美人拝ませてくれるのかなぁ」
・
内なる「それ」は、一刹那を億数回重ねた表象の外に、精神世界の欲求を感じ取った。
「それ」は己の深奥から、億を優に超える可能性の一つを表象へと送りこんだ。
・
そんな軽口を発した途端、黒鉄の鉄球が俺たちの上空へ飛び込んだ。俺はいち早く気付き負傷程度で済んだ。だが戦友は、鉄球の崩壊と共に、爆炎へ呑まれた。
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