　「これが、『楼閣』……」

　そう、君が探し求めた最終兵器。文明が崩壊寸前になったら起動すべき兵器。人類の九割を滅ぼし、文明の再構築を促す。……けど、

　「けど」

　本当に起動させる？　『楼閣』に頼らなければいけないほど、本当に現代文明は立ち直れないかい？　……。

　「……いや」

　そう、まだその時じゃない。こんな兵器に頼らなくたって、君たちは強い。『楼閣』は、来たるべき時まで眠らせておく。ご苦労だったね。

　「――あぁ、消えてゆく……。『楼閣』が、砂のように……」

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