第22話 小区画
私のように「小区画」で暮らす者にとって、いわゆる「大区画」に住む者は、一種の憧れであると同時に、怨恨の対象でもあった。
「小区画」は、「大区画」と比べてあらゆるものが抑制される。空間のゆとり、食生活、寝床、外敵、思想。「小区画」の者が欲しいと願ったとて、その願望が「大区画」の者に届くことは、万に一つもないのだろう。だがしかし、「大区画」の者は時折、こちらが望まぬのに、押しつけがましい奉仕行為を行う。そこにもまた「小区画」の者の意思は「大区画」には届かない、という残酷な現実がある。
私は飢えていた。願わくば、「大区画」の者に施しを与えてほしい。が、そういう時に限って届かないのが世の常である。私は虚しさを抱え、寝床に帰った――。
「たけしー。あんたが
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