第24話 「イルカ」

 なぁお前、聞いてくれよ。

 俺自身は普通の会社員なんだ。職場は半ブラックぎみだが。んで、今朝も始発の電車に間に合うように午前四時に起きて、支度して、外にでたら、

――「イルカ」、がいたんだよ――

 いや、決してふざけてないんだ。本当に、俺の住む四階建てのマンションの駐車場に、一匹いたんだよ。まだ朝にもなってないんだぜ?

 そいつは大体二メートル弱の全長で、駐車スペースに横たわってたんだ。口か鼻か分からんところで呼吸して、腫物みたいな口をパクパクさせてたんだよ。

 俺はまぁ気になったけど、仕事があるし、そいつは無視して出勤したんだ。んで帰り。駐車場に着いて奴を探したんだけど、いねぇんだわ。何だったんだろうな?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る