十行小説
私誰 待文
・十行小説ー四月分 「か」
第1話 十行で小説は成り立つか
「そもそも十行で小説を作れってのがおかしな話なんだよ。小説っていうのはさ、入念に練られたバックボーンや、魅力のあるキャラクター、そして大事なのは起承転結がちゃんとしてることなんだと思うんだよ。それらをたった十行ぽっちで成立させろなんて、無理な話なんだよ。小説一つ出来上がるのにどれほど苦労しているのか、お前らは分かってんのかって話。お前はどう思うよ? 十行で小説は無理だと思わない?」
「……小説論を熱く語っているところだけど」
「何?」
「この作品、十行で終わる小説だよ?」
「えっ」
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