第11話 分刻み
現代社会はとかく忙しい。
今日は予定より五分も寝坊してしまった。朝食は我慢しなければいけない。改札口にはいつもより二分早く着いた。やはり朝食の時間を割いたのは英断だった。
通勤の電車は表示時刻より三分遅れて到着した。線路の異音なんかに大事な三分が持っていかれてしまった。腕時計で時間を確認しつつ乗車する。
会社の最寄り駅まで約三十分。もどかしい、スマホで暇をつぶすとするか。
途中、運転間隔の調整で某駅に二分ほど停車してしまった。あぁ、じれったい。
会社まであと十分、なんで今日は予定が狂いに狂ってしまうんだ! こっちは一分一秒が大事なのに。しかし、そう思った瞬間、電車全体が悲鳴のような轟音を鳴らし、大きく脱線してしまった……! 私のこの後の生死が、一分後、判明する。
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