第17話 罠

 これは遠い遠い星で起こっている戦争の話。

 第九次A戦争で疲弊していた青の国は、赤の国に祖国を攻め込まれて困窮していた。陸軍部隊も散り散りにされ、大尉は苦虫を嚙み潰したような顔をしていた。

「どうにか敵兵の勢いを殺ぐことはできないものか……」

 軍部会議で大尉が思案していると、ふと視界にクッションに凭れる部隊長の姿を見た。その時、大尉の脳裏を一筋の光明が瞬いた。

「これだ!」

 数日後、赤の国兵がまたしても青の国を攻めようと突撃した。しかし、赤の兵は突然力をなくし地面にめり込んでしまった。戦車は柔らかい地面に埋もれた。大尉は部隊長から着想を得、予め地面を柔らかく細工し大地そのものを罠にしたのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る