第31話 持たれつ

 餌の時間だ!

 ご主人さまがわしゃわしゃとした餌袋を持ってきた。ボクはたくさん餌が欲しいから、この狭い檻をちょちょちょと走ってアピールする。よし! 檻が開いたぞ。

 ご主人さまはカップの中に餌を入れる。ホントはもっと欲しいのに、ご主人さまはいつもボクの要望を無視してばっかり。

 うわっ!? 尻尾を掴まれてる! 痛い痛い! ご主人さまはいっつもこうやってボクを乱暴に持つんだ。もう、怒ったからな!

「アッ痛ってぇ!」

 ご主人さまが飛び上がる。どうだ! これに懲りたら、今度からはもっと餌の量を多くするんだぞ、ご主人さま。

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