第21話 根絶
二十世紀初頭、大陸から数十キロ離れた孤島から、数羽の渡り鳥が持ち込まれた。最初はその美しい青の羽と小柄な見た目の愛くるしさから、大陸中の動物愛好家内での飼育が、瞬く間にブームとなった。
だがある日、原因不明の病が一地方を襲い、病死者が後を絶たなくなった。調査の結果、罹患者には共通して例の青羽渡り鳥を飼育していたという共通点が発覚した。国は病気の蔓延を防ぐため、例の渡り鳥の駆除に乗り出した。すでに売り出すための個体が無数に生まれていたため、当初駆除は難航した。
だが駆除用の機器の開発により、渡り鳥駆逐は飛躍的に進み、みるみる渡り鳥は大陸から姿を消した。そして二十年が経つ頃に、渡り鳥はめでたく絶滅したのだ。
後年の研究により、謎の疫病と例の渡り鳥とは、無関係であるのが判明した。
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