第3話 はちみつ

 森の中を、少女と大きなクマさんが一緒に歩いていました。

「ねぇクマさん。クマさんははちみつがすきっていうけど、本当なの?」

「う~ん。特別好んで摂取することは稀かな。蜂に刺される危険とかあるからね」

「ふーん。ならクマさんは、何がすきなの?」

「私かい? 私は獣肉かな。あとはこの前食べた西瓜、あれは美味しかったなぁ」

「すいかなら、おばあちゃんが作ってるわ! こんどもってきてあげる」

「それはありがたいなぁ。心待ちにしておくよ」

「ほら、もうすぐ私のお家よ。ママのおいしいハニートーストを食べさせたげる」

「楽しみだなぁ。安全に蜂蜜が堪能できる身分なんて、人間は恵まれているね」

 そして二人は、雲の立ちのぼる煙突が目立つ、少女の家へと歩いていきました。

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