46話ー② 異次元の影響力!無敵の黄金神!





 扉が開き、一人の人影が入ってきた。

 見覚えのある茶髪の美しい女性、アファルティア様だ。



「あーフィリアちゃん!帰ってきてたなら言ってよ〜。私のアパレルブランドの新作、着て欲しいのにぃ……」


「ティア嬢!?どのようにしてここに?」



 本当に前情報通り、2人は親しい友人関係のようだ。

 アファルティア様が敬語を使わない姿を見るのは初めてで、少し新鮮だ。



「たまたまこの部屋の奥の応接室を使ってたから、ちょっと時間を止めて会いに来たのよ。」


「……ギルド応接室付近での法術の使用は禁止されているはずですが?」


「ちょ……そこ?相変わらず真面目ね……私も正面からセキュリティを突破するのは不可能よ?たまたま他の部屋に案内されて、そこから来ただけよ?」


「関係ありません。法規に順じてこそ、下の者に規範を示すことができるのです。この件はしっかりと報告させてもらいます。」


「流石......神聖なる王様……」



 2人は親しげに話しているが、アウルフィリア様はいつも通り厳格だ。

 アファルティア様も生真面目な方だが、アウルフィリア様はさらにその上を行くようだ。



「ティア嬢。お戯れはそこまでに。ただ私に会いに来たのではないでしょう?」


「勿論それもあるけど……今日はいくつか確認しにきたの。」



 確認……アファルティア様の口調が少し鋭くなった。

 先ほどまでの柔らかさは影を潜め、探るような視線を僕に向けている。



「ルークさん、ルシアさん?遺跡を知ったというのは、本当に『植物学入門』という本をたまたま借りたからですか?」



 僕は言葉に詰まった。

 僕たちは報告の際、図書館で偶然手に取った本から、情報を見つけたと報告している。


 しかし、実際には神界のデータベースにハッキングをかけた事が発端だ。

 アファルティア様は恐らくその点を疑っている。


 嘘を隠し通すのは良くない......なぁんて僕は微塵も考えないが!

 今アファルティア様が、嘘を看破する類の法術を行使している可能性は高い。

 あらゆる可能性を考慮した上で、ここは正直に答えることが最善解だろう。



「……ヴァラルについて調べるため、神界立蔵書にハッキングを掛けました。その際にモニターに文字が浮かび上がり、そこに『植物学入門57』を借りろというメッセージが表示されたんです。」


「……誰からのメッセージだったのですか?他には何が?」



 いつもの優しい声色のアファルティア様なのだが、その後ろには疑心と探りの色が垣間見える。


 ......僕は続けた。



「誰からかは分かりません……ただ、今後大きな出来事があると。そして困ったら『管理者』を集めて頼れ、と。」



 するとルシアが続けて話し始めた。



「それと……管理者を見つけたら、『天啓集結』と伝えろと言っていました……」


「......嘘は言っていないようですね。この件についてどうこうするつもりはありませんが......もし敵の罠であった場合、お実力の劣る二人がフィリアちゃんに同行するのはリスクが大きいです。」



 耐えたぁぁ!あっぶねぇ!!危うく詰む所だった、ナイス僕の頭脳!!

 てかやっぱり嘘看破の類を使ってたな......ルシアだったらもう終わってたぞこれ。



「「......」」


「フィリアちゃんを失えば......神界は外交関係が良好でない惑星国家の、蠢動を許すことになるでしょう。何せ黄金神をチラつかせるだけで、他文明を威圧する事も可能ですから......」



 そう……この宇宙は天上神界が統一し、支配しているが......

 多次元の宇宙にはもっと別の支配国家が存在する。


 現状属国であったり、相互不干渉の状態を辛うじて維持できているが......

 アウルフィリア様を失えば、その支配文明が不穏な動きを可能性は十分考えられる。


 神界にとってアウルフィリア様は、巨大な軍事力そのものなのだ。

 現に神界でも黄金神は『神界最後の砦』とまで呼ばれている。


 だが、その瞬間、アウルフィリア様が口を開いた。



「その件ならば問題ない。私は『天啓集結』の意図を理解している。その人物は信頼できる。」


「フィリアちゃん……それはどうして?」


「これより先はティア嬢にも言いかねます。」


「なるほど……つまりこれは『管理者案件』なのね。神界の最高権力者である私でさえ、管理者からすれば庇護対象に過ぎないという事ね......」


「残念ながらご察しの通りです。管理者.....いえ『Lord of Orderロードオーダー』は全次元、そして箱庭を守護する役割を担っています。彼女おんかたの手の届かない分まで......」


「……分かったわ。なら私はそれ以上は口は挟まない。」



 ……やはりアウルフィリア様も管理者だった。そして箱庭という不可解な単語がまた登場した。


 そして彼女とか誰の事だ?話の流れから箱庭を創造した人物及び支配する人物になる。

 初代全神王とはまた違う超常存在の示唆。本当に知らない事だらけだ……


 しかし、アファルティア様は険しい顔をして僕たちに向き直った。



「ですが……私は、お二人がフィリアちゃんに同行することに反対です。」


「ティア嬢?既に決定されていますが、どういう意味ですか?」



 部屋の空気が引き締まり、次の言葉を待つ静寂が場を支配した......








 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★


 どうもこんにちわ。G.なぎさです!

 ここまで読んでくださりありがとうございます!


 アウルフィリアは現状、天上神界の主要惑星に身を置いている神々の全て相手にして、圧倒できるほどの力を保有しています。

 また彼女がバックに控えているというだけで、反乱文明を沈黙させるほどの力を持っています。


 ......能力事態は超絶シンプルです。実は以前の話で少し示唆してたりします。


 もし面白い、続きが気になる!と思った方は

 【応援】や【レビュー】をしてくれると超嬉しいです!!


 更新は明日の『『21時過ぎ』』です!

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