36話ー② 感情のあるアンドロイドが変人過ぎる……
次の日。僕らは朝イチでエリーを迎えに行った。
本当はどちらか1人でも良かったのだが……
まぁ脳筋共は放置しても問題ないだろう。
エリーが住んでいるのは第12惑星『テラスティオポス』だ。
この星は他の星とは全く異なる文明形態を持っている。
立ち並ぶ超高層建造物や、空中浮遊する近未来的の構造物。
空中に浮かんでいる透明なチューブの中には、モダニズム的な浮遊鉄道が走っている。
都市のほとんどが科学技術によって自動化されており、ほぼ全ての仕事をAIロボットやアンドロイドが行っているのだ。
この星の文明は圧倒的な科学力に支えられている。まるで別世界に迷い込んだようだ。
「何度来ても凄いなぁ。機械にロボット。利便性なんかは間違いなく全惑星の中でトップだろうね。怠けたいエリーには最適な惑星だ。」
「私は好みじゃないわ。自然が無さすぎて息が詰まるもの。野外の歩道さえ動くのよ?」
「んな事言って。ルシアぶっちゃけ自領以外で野外なんて出ないじゃん。」
「ぐっ。そういうの突っ込まないでよ!?」
自領から出ない癖に、あたかもいつも外に出ているみたいな言い方をするのはルシアの常套句だ。
「ま。でも暮らし慣れた惑星とは違ってちょっとビックリするよね。僕は知らないもの大好きだから全然平気ではあるけど。」
「私は正直戸惑うわ。メイドのロボットは最近ちょっと欲しくなってるけれど。」
確かに最近立て続けに人が家に訪ねてきて、あと片付けや準備が億劫に感じていた。
「でもロボットでなくてもいいよね?魔道人形とか人を実際に誰か雇うとか、神界は召使いの選択肢1つ取っても色々あるよ?」
「う、うるさいわね。知ってるでしょ……私が実は人付き合いを好んでいないこと。得意と好きは別だわ。」
ルシアは人付き合いを進んで行うタイプではない。僕の為に色々頑張ってくれてはいるが、どちらかと言うと狭く深く関わりたいタイプなのだ。
特に家でのルシアは寝起きや幼児化を含め、他人に隠したい性格面が、自宅でのリラックスによりかなりの頻度で露見する。
「ははーん。だからメイドのアンドロイドじゃなくてロボットって言ったわけか。」
「そ……そうよ!悪いかしら。アンドロイドなんてほとんど人じゃない。感情がある製品もあるし……」
「神界の超高性能アンドロイドなんて、最上位の鑑定魔法使わないと人と見分けられないからね?」
「悪用されたり、虐げられたりしないように徹底した法整備とシステムが整ってて良かったわ。」
そうこうしている内にエリーの住んでいる超高層マンションに到着した。
入口前には庭園があり、噴水やオブジェクトが多数置いてある。相変わらず自然は少ないが……
「何だろなぁ……これも芸術?にしても相変わらずでっかい建造物だ。マンションというより一つの小世界だよね。」
「あんな余分な突起が出てるのにどうして倒れないのかしら? そもそもこのマンションにほとんどの施設を揃える必要ってあるのかしら。用事の際にその都度足を運ぶのも、楽しみの一つなのに......」
エリーの住む建物は上に高く伸びているだけではなく、細い通路が側面に数多く伸びておりその先には半球状のドームがあったりする。
こんな形状の巨大建造物が成り立つのは、それだけ構造躯体の強度が高いという事なのだろう。
ちなみにエリーが住んでいるのは最上階だ。
「ねぇルーク。このマンション?の最上階っていくらするのかしら?」
「ハハ……安くても僕らの屋敷の50~60倍はするだろうね。エリーはなぁぜだか、あんな性格だけどお金稼ぐ才能だけはある。本当に何でだろ……」
エリーは金儲けが上手い。特に不労所得が入ってくるシステムを構築するのが本当に上手い。
それ故に経済的な動向の把握能力は極めて高い。もしかするとエリーに埋め込まれたICチップがそういうものなのかもしれない。
「まぁそれはいいとして入ろうか。」
「そうね……」
自動ゲートを潜ると巨大なエントランスホールがある。
そこから少し奥に進むとエリーの世話をしているアンドロイドがこちらを見つけて声を掛けてきた。
「あ。アズサさんだ。久しぶり。エリーはまだ寝てる?」
「お久しお久し。お嬢様はまだ部屋で寝ておりまっせー。ご案内致しますので着いてきてくれまっせ〜。まっせまっせ〜」
……なんでこのアンドロイドはまっせという語尾を付けるのだろう?
そんなことを思いつつ、僕たちはエリーの部屋に向かうことした。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★
どうもこんにちわ。G.なぎさです!
36話ー②をここまで読んでくださりありがとうございます!
圧倒的な科学文明。そして現れたアンドロイドは超変人??
もし面白い、続きが気になる!と思った方は【♡応援】や【星レビュー】をしてくれると.....超嬉しいです!!
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