47話ー➁ 真都フェリリィ






「.......」



 飛びながら、僕は異変に気がついた。

 中央主神惑星の方向とは全く違う、まるで関係のない場所へと向かっている。


 アウルフィリア様が「通常の入星ルートとは違う」と言っていたとはいえ......

 同じ場所を何度も行き来していたりと明らかに不審だ。


 だが、相手は天上神界最強のアウルフィリア様。

 文句など言えるわけもなく、ただ黙々と後を追って飛んでいた。


 そして驚いたことに、僕たちは数十分も飛び続けていた。疑問が頭をよぎったその時、アウルフィリア様が突然、僕たちに語りかけてきた。



「あと少しで着く。ここからは私と10メートル以上離れるな。わかったな?」


「承知しました。」


「ルークに同じく。」


 そこからの出来事は、後から振り返ってみても何が起きたのかよくわからない。

 気づいた時には、僕たちはすでに飛行をやめていた。




 そして目の前に広がっていたのは――



「こ……ここは……」



 そこにはまるで惑星の内側を、丸ごと繰り抜いたような巨大な空間が広がっていた。

 その中心には、空中に静止する巨大な構造物。


 どうやら、この空間全体がその構造物を中心に広がっている都市のようだ。



「ここは中央主神惑星ネオコスモの内空間にあるとされている真都フェリリィ。天上神界の真の帝都だ。」


「真……都?では、僕たちが知っている中央主神惑星の王都は……」



 一目でわかる。僕らがこれまで見てきた天上神界とは、技術のレベルがまるで違う。

 目に映るものの多くが、僕の知らない技術によって作られている。

 中には構造を理解できない建造物や物体も多数存在している。



「時にルーク、ルシアよ。十神柱や三大最上位神がで目撃されたという話を聞いたことがあるか?」


「ま、まさか……最高位の神々はここに?」


 一体どうやってここに来たのだろうか。

 錯覚ではなく、気づいた時にはこの場所にいた。


 そして、出入り口らしきものも僕の探知魔法では見つけられない。



「機密が漏れなかったことも、初代や2代目を知っている人物が存在しないのも、狂化ウイルスだけが原因ではない。事実に関するすべてがここに隠されているからだ。いくつかの惑星を除いて、他の主要惑星の内側にもこうした真の天上神界が存在する。私は第8惑星の内空間に住んでいる。外の居城はただの見せかけだ。」


「こんな……馬鹿げた規模で?ですか?」



 情報規制どころの話ではない。

 僕らが今まで天上神界だと思っていたものは、表向きでしかなかったのだ。

 本当の技術や機密はすべて、この内空間に隠されていた。



「つ……つまり、私がハッキングした神界の蔵書の情報は……」


「残りカスだ。お前のような天才でも、情報があるデータの保管場所を検討がつかなくては意味がない。それと、こちらに常駐しているハッカーにはハッキングは筒抜けだ。お前はこちらを想定していないだろう?故に対策プログラムを構築していないだろうからな。」


「ふぅぅぅ……申し訳ありませんでした。」


「こちらに住んでいる者が全員卓越した神というわけでもない。安心しろ、皆に知られているわけでもない。」



 なにその声。可愛い。

 しかしこの場所について気になることもある。



「ここは、いつ頃からあるのでしょうか?地上の歴史や伝説は偽りではないのでしょう?だとすれば、この場所は比較的新しくできた場所ですね?」


「噂に違わず鋭いな。ここは先の大戦で作られた言わば防衛都市世界だ。国民のシェルターのようなものだよ。当時は、ここが天上神界の真都になるとは思いもしなかったがな……」


「なるほど……そういうことですか。」


「え?何?ルーク、私にも教えてよ。」



 ルシアは心理を読むのは得意だが、断片的な情報から推測する力は僕の方が上だ。


 ルシアはハッキングの才能はあるが......

 ハッキングというパズルが得意なだけで、多角的に感情を排して思考する事は向いていない。


 そしてその後、アウルフィリア様から語られる......

 この真都が作られるきっかけとなった、血みどろの経緯が......







 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★


 どうもこんにちわ。G.なぎさです!

 ここまで読んでくださりありがとうございます!


 中央神都の内にある真都フェリリィに辿り着いた主人公。

 そこには天上神界の超高度な技術力が隠されていた?


 次回は真都創造の秘密についてです!


 もし面白い、続きが気になる!と思った方は

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 更新は明日の『『20時過ぎ』』です!


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