第三章 絶対純悪暗躍編

第23話 異常発生!強襲!!宇宙からの軍勢!!

23話ー① 自宅という名の『動物園』





 僕らは夕食の準備をしていた。今日は久々に親友たちを招いての焼肉パーティだ。



「ルーク。遺跡の件、よかったわね。」


「本当に奇跡としか言いようがないね。世界にでも愛されてるのかな?」



 すると、家中にインターフォンの音が鳴り響いた。



「私、出てくるわね。」


「サンキュー、助かる。」



 現在、食事を準備している部屋は天井が高く、広さは約60畳。

 天井にはシャンデリアが吊るされ、窓から見える浮島の夜景が幻想的だ。


 部屋の中央には大きなテーブルがあり、10人まで座れるようになっている。


 うちは貴族の豪邸のように広いが、使用人は雇っていない。

 食事も掃除も庭の手入れも、すべてルシアと二人で行っている。


 屋敷のほとんどの部屋は使っておらず、掃除だけおこなっているのが現状だ。



「いや......僕達の魔法がやっている、の方が適切か?」



 ちなみに使用人を雇っていない理由は簡単。

 ルシアが『引き籠り型陰キャ』だからだ。


 ルシアは幼児化など、他人に見せられない面を多く持つ。

 加えて、根が人見知りのルシアは、他人が自宅にリラックスできなくなる。



「ルーク、エリーちゃんだったわ。」


「おにぃ、やほー。」


「おま……飯の時だけは絶対寝坊しないのな?」


「フフン。ドヤッ」



 フフンまで口で言うな。それ擬音だろ......

 エリーは少し勝ち誇ったような顔をしているが、何一つ勝ち誇るべきことなどない。



「とりあえず来たなら準備手伝え。」


「……ほぁ?早く……来すぎた……不覚.......」



 僕ら三人がしばらく準備をしていると、再びインターフォンが鳴った。



 今度は僕が玄関に向かった。



「ルーク!ほら肉だ!!美味そうだろ!!」


「ちぃーす!あたしらの秘蔵肉コレクションだぜ!収納魔法内にまだまだあるぞ!」


「……量多くね?」



 二人は両手にブロック肉を抱えている。しかも素手でだ。

 さらに収納魔法にも、まだまだ入っていると言うのだから驚きだ。



「と……とりあえず入ろうか。」



 その後の準備は散々だった......

 力加減を間違え、まな板ごと切り刻んでしまったエリー。



 何の肉なのか、どこの部位なのかを聞いても、

「忘れた」「知らない」をひたすら連呼する肉ダルマども......



 焼きすぎで炭になる肉……

 さらには準備途中なのに酒まで飲み出す始末。


 まともに準備をできるのが、僕とルシアしかいないなんて終わってる……


 ここは動物園か?

 飼育係になった気分だ。


 きっと後から思い返せばいい思い出なのだろうが......

 やられている現在は悩みの種だ。



 そして......やっと共同準備が終わり、僕達は食卓に着いて食事を始めた。



「…………うめぇ。………………あーーー。いいぜこれ。あーー。」


「いや。何か話せ……」



 エルガリブ夫婦は、ひたすら肉を無言で貪っている。

 散々準備しなかった挙句に、食ってるときは無言だと!?化け物かよ!?



「おっけまる~!あたしら最近十神柱に会ったんだよ!」


「は?」


は?????

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