第16話 神類史上最悪の巨悪
16話ー① 無防備な嫁を拘束して〇〇〇
あれから僕達は数時間の仮眠を取った。
「ルシア、大丈夫?よく眠れなかった?」
「ぅっ、深く寝付けなかったかも。別に怖い夢見たとかじゃないから!」
「うんうん、怖い夢見たんだね。よしよし。」
僕は彼女の頭を撫でて慰めた。
起きた早々から理性がはっきりしているとはルシアにしては珍しい。
「なっ!?何よぉ……くぅ……」
ルシアの目が涙で滲んでいた......どうやら本当に夢が怖かったらしい。
さらに、自分がミスをしたかもしれない、という自責の念もあるのだろう。
「あれから少し考えたんだ。やっぱり僕はヴァラルの情報が欲しい。罠かもしれないけど、言われた本を借りてみようと思う。」
「……あまりにも危険だわ。もし罠だったら、取り返しのつかないことになるのよ?今その情報がなくても死ぬわけじゃない。」
ルシアの言い分はもっともだ。確かに今回は危険な綱渡りになる。
これまで僕は物凄く慎重に行動をしてきた。
しかし、何かを手に入れたいのなら、どこかで綱渡りは必要だ。
大切なのはそれを見分けて判断することだと思う。
「ありがとう、心配してくれて......でも今はどうしても情報が欲しい。このまま十神柱の召使いになるつもりはないよ。」
「分かったわ……なら準備しなさい。私も一緒に行くわ。」
「いや、ルシアが一緒に行かなくても......図書館で本を借りるだけだよ?」
「うるさいわね......何があるか分からないでしょう?」
ルシアの気遣いはありがたかった。事実、二人で行動する方が安全だ。
しかし、図書館に二人で行って、一冊だけ本を借りて帰るのは、あまりにも不自然だ。
「ルシア、僕ら2人とも違う本を何冊か借りて、カモフラージュしよう。」
「そんなの当たり前でしょ?私はそこまでおバカさんじゃないわ。あと、こっち見ないでよ。」
そう言いながら、ルシアは寝室で着替えを始めた。
いや、見るなって言うなら更衣室で着替えればいいのに……
そう思いながらも、僕はルシアの着替えを目を見開いてガン見してやった。
これはご褒美だ。間違いない。
そして僕は、天才的な頭脳での演算をした結果......
究極的かつ合理的な、至高の解答にたどり着いた。
「ちょっ!?見ないでって言ったでしょ!」
「あ、ごめん。ではルシアさん、お着替え手伝いましょうか?」
「はぁ!?何言って……」
僕は素早く拘束系の神術を使い、ルシアを固く拘束して着替えの手伝いを始める。
「やめ……何するの、変態!」
「紫の下着凄い可愛いね。髪色と合ってて似合ってるよ。」
ルシアは顔を真っ赤にして抵抗しているが、術のおかげで動けない。
拘束されながら息を激しく抵抗するその姿は......
色々と心にぶっ刺さるものがある......最高だ。
「うぅ……バカ……」
「このまま服も着せるね。服は僕が選ぶけど、時間ないし文句言わないでね。」
そうして、僕はルシアがあまり着ない、露出の多い服を着せることに成功した。
オフショルダーで腹部が大きく露出しているその服は、彼女の体の美しさを引き立てている。
当然スカートはミニスカートだ。 ※「近況ノートにイラストあり」
「お……覚えてなさいよ。」
「可愛いよ、ルシア。」
「……ッ」
僕はそのままルシアにキスをした。
彼女は恥ずかしさで頭が完全にショートしてしまったのか、急にしおらしくなった。
「ぅぅぅぅ……」
「よし、図書館に行こうか!」
そして僕達は家の鍵をかけ、界立中央図書館へと向かった。
界立中央図書館は天上神界の中央惑星『ネオコスモス』にある。
少し冷たい早朝の空気が何とも心地よく、まるで新しい何かの先触れのようだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます