第45話 動き出す歯車
45話ー① 初心×ショタ+変態
ついにエリーちゃんに恋人ができた。
これは本当に喜ばしいことなのだけれど.......どうも素直に喜べないのが、私のルークだ。
あれだけエリーがルークを慕っていたのだから、当然といえば当然かもしれない。
「兄離れってこんなに寂しいんだね……」
「そうね……エリーちゃんはブラ……お兄ちゃんっ子だものね。」
「懐かしいなぁ、昔はよく近所の空き地に遊びに連れて行ったっけ……僕が外に出るたびに後ろをよちよち付いてきてさ。可愛かったなぁ……」
「ルーク……施設を抜け出した後の話よね?」
「そりゃそうでしょ。僕とエリーに血の繋がりはないし……あれ?でも、エリーが小さかった頃の記憶があるような……」
マズい......記憶の解像度が前よりも高くなってきている。
少しずつ記憶が戻り始めている証拠なのだろうか?
いつもあれだけ聡明なルークが、記憶の違和感に気づかないなんて……どうして疑わないの?
「エリーちゃんは元々小さいわよ?ロリなんだから。」
「それもそうだね。昔の記憶って、鮮明には思い出せないもんだな……」
そんな話をしていると、エリーちゃんがやって来た。
しかも、例のショタ君を連れて。
正直、ルークの気持ちが別の方向に向いてくれて、少しホッとしている。
「ヤバ……尾行してたこと、バレずに隠せるかな?」
「……私は自信ないわ。でも、きっと勇気を出して紹介に来てくれたんだもの。ちゃんと対応しなくちゃ。」
「そうだね。新しい家族として、ちゃんと受け入れないと。いつまでも妹に彼氏ができたのを引きずっても仕方ないし。」
「そうね……そもそも、あ、あな……ゴホッ」
恥ずかしくて「あなたには私がいるでしょう?」なんて言えなかった。
「とにかく、行くわよ!!」
「はいはい。行こう行こう。僕にはルシアがいるからね?」
「んぇっ!?」
「シャイだなぁ……」
全部バレてた。恥ずかしすぎて心臓が破裂しそう……
しかも、変な声まで出しちゃった。
恋愛の場面では、いつも手玉に取られてばかりだ……私たちは玄関ホールに向かった。
――――――――
「エリー、どうした?今日は会う予定だったっけ?ん?そちらの人は?」
「おかえり、エリーちゃん。」
僕たちは、何も知らないふりをした。
「おにぃ……あ、ああここここ、このこの人、#%&$」
うん。ダメだこりゃ......話にならないわ。
流石に人語を介してくれないと、いくらお兄ちゃんでも聞き取れないぞ?
そんな発情期の猫みたいな声出されてもな......
「僕、妹のエリーさんとお付き合いさせてもらうことになりました。ハルト・ヤナギです!」
「ハ、ハル……ぅぅぅぅぅ」
......どぉーしてそこでハルトくんの名前読んだ?
今のエリーの脳内では、意味のない単語が渦巻いているに違いない。
「エリーちゃん……彼氏ができたのね!」
「とりあえず家の中へどうぞ。ようこそ、ゼレトルス家へ!」
正直、ちょっと白々しい……特にルシアが全然演じきれていない。
「お、お邪魔します!」
「おじゃま……します。」
エリーまでお邪魔しますって……いつも来てるんだろ!?
心の中で突っ込みをして......一人虚しい気持ちになるのであった。
――――――――
接待用の広すぎる食事ホールではなく、いつも食事をしている小さな部屋に案内した。
こじんまりとしているが、屋敷の最上階にあり、窓からは領地の森と湖、渓谷が一望できる。
「こんなに大きな屋敷なのに……大したものがなくてごめんなさいね。」
「いえ!お気になさらずに!いきなり押しかけたのは僕ですので!」
エリーが彼にどう話していたのか分からないが、ハルト君は相当緊張している様子だ。
とういうかテンションが「娘さんを僕にください!」と言う直前みたいなんだよなぁ......
「あんまり緊張しなくていいよ?僕はあくまでエリーの兄なんだから。」
「おにぃ優しい。だから緊張しないで……」
「あ、ありがとう……」
「ウぐっ……ショタ……」
隣で変態が悶えているが、何か隣で変態がもだえているのだが......
この未解明の珍獣はひとまず放置する。
そうして波乱万丈、「新・家族会議」が幕を開ける!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★
どうもこんにちわ。G.なぎさです!
ここまで読んでくださりありがとうございます!
ついにハルト君と正式に会合!!
今後のエリー達の関係と運命は?
新しいメインキャラになるかも??
もし面白い、続きが気になる!と思った方は
【応援】や【レビュー】をしてくれると超嬉しいです!!
更新は明日の『『21時過ぎ』』です!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます