45話ー➁ 地獄みたいな空気にしてみた!







 隣の珍獣はひとまず放置するとして……



「エリーをよろしくね。照れ屋で、ほとんど会話にならなくなることもあるけど、どうか暖かく見守って。」


「はい。なんとなく分かってきました……」


「ただ、どうでもいい相手にはかなり淡泊かも……」


「そうなんですか?僕にはすごく優しいですよ?」



 ……話すことが浮かばない。

 なんだか、微妙に上から目線の口調になりつつある。


 正直、僕はエリーに恋人ができたことに少し寂しさを感じているんだろう。

 こうなったらもう、恋バナ?をブチ込むしかない。



「ハルト......エリーとはどこまでいったのかな?」


「ハ、ハルト!? え……あの、その……手を繋ぐまでです。」



 すると今度はルシアがエリーに畳みかける。



「エリーちゃーん、本当はどこまでいったのかしら?」


「ふぇ!?」



 ハルト君、思ったより初心だな。

 二人とも顔を真っ赤にして、あたふたしている。



「え?まさか本当に手を繋いだだけ?」


「はい……ほっぺにキスも……まだしてないです……」


「おにぃ、おねぇ尊敬……私達。キスもできてない。」


「ま、まぁ私達はお姉さんだからね!ゆっ、ゆっくりでいいんじゃないの?」



 え、まじで手を繋いだだけ?

 僕なんて、ルシアがOKサインを出した、その夜にもう犯してたのに......



「ぅぅ……男の子の僕が頑張らないといけないのに……恥ずかしくて。」


「……そういうとこ。ハル、可愛い。」



 ……なぜだろう。エリーが攻める側になる未来が見える。

 僕の妹だから、もしかしたら僕と似てSなのかもしれないな。


 いや僕と同じなら両生類か?



「仕方ないな!お兄ちゃんが助けてあげよう!」


「おにぃ……ありがとう。」


「是非……お願いします。」


「……」



 やり方がわからないなら、僕たち夫婦がレクチャーしてあげればいいんだ。

 ルシアは静かに部屋から出て行こうとしている。僕の考えを完全に理解したらしい。



「ルシア~?どこに行くのかなぁ?」


「ひゃぅ!えっと……」



 僕は瞬間転移魔術でルシアを捕獲し、二人の前に戻った。



「それではレクチャーを始めます。」


「お願いします!」


「よろぉ。」


「ちょ!?まっ!ルーク!?」



 先に言っておくが、僕には恥じらいなんてない。

 性欲も人十倍強いので、暇さえあればいつでもルシアを襲いたいくらいだ。


 この際、読み手の読者が途中で離脱してしまうような......

 そんなこっ恥ずかしい、痛々しい展開を作ったろう。



「ひゃっ……」


「ステップ1~。まずは腰に手を回して体を引き寄せて密着させる。この時、すぐにキスするのはぜっっったいNGだ。OK?」


「分かりました!」


「……あい?」



 うん、物分かりが良くて結構。腰に手を回すと安心感が生まれる。

 僕はいつも使っているテクだ。


 ルシアは耳まで真っ赤にして視線を逸らしている。

 長い夫婦生活の中で僕に手籠めにされているので、もう逆らえないのだ。



「あっ……ルーク……みんながっ、見てるから……ぅっ。」


「ステップトゥ~。目を見つめながら頭を軽く撫でたり、少し耳を触ったりして愛情表現をする。軽くだよ?時間をかけすぎないようにね?」


「……は、はい。」


「ぅぅぅ。はずぅ……」



 ルシアはもう目が潤んでいて、触られるたびに体がビクビクと痙攣している。

 体の力も抜け始めているため、僕に捕まるしかない状態だ。


 これは開発の成果かな……まぁ、知らんけど。



「あぅ……ダメェ……」


「ステップ3~。腰を抑えてない方の手で顎下からフェイスラインをなぞるように顔に手を添える。そして目を見ながら顔をゆっくり近づける。」


「……は、はい……」


「わわ……おねぇ……エロい。」



 ルシアはもう完全に受けのモードに入っている。

 目には涙が溢れ、理性の欠片も感じられない。


 レクチャーを受けている2人も赤面していて、緊張が伝わってくる。

 なぜ僕が一番冷静でダメージが少ないんだ!?皆、頑張れよ!


 ここからは唇を使うステップなので、通信魔術でハルト君にだけレクチャーする。



【ラストステップ。相手が目を瞑ったら、唇がほんの少しだけ触れる所で少し焦らして。それからゆっくり唇を重ねるんだ。】


「んっ……」



 ルシアがキスの瞬間、甘い声を漏らす。



【ハルト君?この時、歯が当たらないように気をつけてね?あと、唇に力を入れちゃダメ。しらけるから。】


【はい……頑張ります。ぅぅぅ。】


「おねぇ……エッチ……」



 こうして、僕のキスレクチャーは終了した。

 他にもたくさんキスの方法はあるけど、初心者にはこれが限界だろ。



「さて、次はエリーへのレクチャーだね!ルシア、よろしく。」


「へぁ?なにいってウの?」



 ルシアはもう、お姉さんらしい口調を保つことすら難しくなっている。



「家族のためだよ。レクチャーなんてしなくていいから、いつもみたいにキスして。」


「ぁぅぅぅ。わかった……」



 ルシアは僕の首に手を回して、唇を重ねてきた。

 場には何とも言えない、生ぬるい雰囲気が漂っている。


 全員が顔を見合わせられないほど、気まずそうだ。

 そんな空気に、この上ない愉悦を感じているのは僕だけだった。







 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★


 どうもこんにちわ。G.なぎさです!

 ここまで読んでくださりありがとうございます!


 全人類赤面レベルのルークのキスレクチャー!

 現実世界でもめちゃくちゃ使えるテクだったり?


 次回はなんと......あの最強神が降臨?


 もし面白い、続きが気になる!と思った方は

 【応援】や【レビュー】をしてくれると超嬉しいです!!


 更新は明日の『『21時過ぎ』』です!



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る