第五章 世界線移流決戦 編
第46話 黄金なる最強神
46話ー① 個にして群、個神文明?
「座るといい。ゼレスより話は聞いている。」
「かしこまりました。最上位神ルーク並びにルシア、僭越ながら御前に座らせていただきます。」
流石の僕でも緊張する。
目の前にいるのは、十神柱の中でも最強と名高いアウルフィリア様だ。
彼女を前にしては、どんなミスも許されない。
少しの失言が、全神王への道を閉ざしてしまうかもしれないからだ。
「私は十神柱のアウルフィリアだ。遺跡探索同行の件については感謝する。」
「とんでもございません。こちらこそ僕達のような末端の最上位神を同行させていただき、誠にありがとうございます。」
僕は言葉に緊張を隠せない。
「早速本題に入るが、この場所に隠されている秘密は、恐らく遺跡そのものではない。」
「それは……僕たちの情報が間違っていたということでしょうか?」
「違う。事実、ここには遺跡が存在する。しかし、ヴァラルがこの遺跡を拠点にするとは考えにくい。恐らくこの遺跡は、拠点への中継地点、あるいは出入口として使われていた可能性が高い。」
つまり、遺跡探索といっても、遺跡自体を探すわけではないのだ。
その中に隠された『何か』を見つけ出すことが任務なのだ。
「結論を言おう。何が隠されていようとも、ほぼ確実に戦闘が行われる。意味はわかるな?」
「ルークの……死を覚悟しろということですか?」
アウルフィリア様の言葉は、ルシアの心に重くのしかかった。
かつて覚悟したつもりで、その恐怖を乗り越えられなかった彼女は......
未だあの日の出来事に縛られている。再び覚悟を迫られたら、彼女は応じられないだろう。
それなら、僕はこの任務を断る覚悟がある。
夢よりも、ルシアの方が大切だから。
「安心しろ。騎士の誓いにかけて、そなたらは私が必ず守る。しかし無傷で済む保証はない。害厄王が出てくることはないだろうが......それなりの仕掛けはあると見て間違いない。」
「それは覚悟しております……ですが、僕だけの判断で決めるわけには……」
「……行きます。私は、このまま何も知らずに朽ちていきたくはありません……」
ルシアは情に厚く、責任感も強い。
雷華様の話やヴァラルの件を聞いて、今の自分のままではいけないという焦りを感じているのだろう。
しかし、その一途さが心配でもあるのだ。
ルシアが僕のことを気遣ってくれているように、僕も彼女のことが心配だ。
これからの道には多くの苦悩が待っている。
酷い言い方をすれば、僕の夢の道中には必ず何かしら犠牲は出てしまうだろう。
「周辺環境や推奨装備の詳細はゼレスから送らせる。私の方はしばらく予定がない。準備が整い次第、そちらから連絡をしてくれ。」
「承知いたしました!!」
周辺環境の調査は既に終わっており、準備もほとんど整っている。
あとはゼレス様から送られてくる情報を確認し、不足しているものを揃えるだけだ。
「お前達には期待している。最上位神昇進も歴代最速だ。これは初代の時代を含めてだ。」
「初代全神王様の時代も含めて……ですか?」
ルシアも驚きを隠せないようだ。
以前、音羽様から少し聞いていたがまさか本当に最速だとは......
「あの時代の神々は......天上神界建界の時点で、既に強者揃いだった。」
「そうなのですか……?」
僕たちは、期待されているのか、試されているのか......少し混乱している。
「あの時代は父上という頂点に、引き寄せられるように『化け物』が集った。世界軸も時空間も問わず、『最強』が集まり、その神々が神界を築いたのだ。父上は......文明そのものとしても頂点だった。」
「文明としての頂……それを個人で体現していたのですね。」
「そうだ。実際、父上が退いた後の神界は『頂点文明』から転落した。今では理外に存在する、摂理や生命を超越した文明に劣る。最も、あれは生きていると言えないがな? 知的生命の築いた文明というなら、今でも頂点であろう。」
「はい……」
やはり、初代全神王の娘がアウルフィリア様だった。
ていうかめちゃくちゃサラッと言ったな!もっと余韻あるだろ普通!?
すると、扉が開き、見覚えのある茶髪の超絶美人が入ってきた。
何を隠そう、その人物の正体は......天翼王アファルティア様だった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★
どうもこんにちわ。G.なぎさです!
ここまで読んでくださりありがとうございます!
動き出した遺跡調査任務は思ったよりも危険そうで......
そして個人で頂点文明を体現していた初代全神王!
ついに始まる調査任務!果たして神界最強の実力とは!?
今回から新章です!是非ご覧ください!
もし面白い、続きが気になる!と思った方は
【応援】や【レビュー】をしてくれると超嬉しいです!!
更新は明日の『『21時過ぎ』』です!
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