38話ー➂ 8兆4000億円!?
「私。作った。あ......です。」
「も、もしかしてこのレベルの霊薬を作れるのか!?何か制約があったりは......」
稀にそういう『ギフト』や『固有能力』を持っている人がいる。
しかしそういった類の能力には回数制限や条件、代償や制約があったりするものだ。
もしそうならこれは迂闊に作ってくれ!!と懇願してはいけない内容だ。
「材料あれば特にない、です。普通に売ります。沢山なら今ある材料分作る。です。」
「マジ?ならあるだけと頼むよ。何なら材料も必要とあらば僕らで取りに行く。」
霊薬や仙薬の類は、複数回使えば段々と効果が薄れていく。
効果10%の霊薬を10個飲んだら、100%強くなるという単純なものではない。
更に10%の効能を持つ霊薬や仙薬は、ただ飲めばいいという訳でもない。
身体のエネルギー循環を整えたり、効能を取り込みやすいように処置をしたりする事で、初めて100%に近い形で効能を発揮するのだ。
そして数があるに越したことはない。
この2週間様々修行をしてきたが、この霊薬は言わば合法のドーピングだ。
例え最後の10個目に飲む霊薬の効能が「1%未満」だとしても、鍛錬をするよりも遥かに近道なのだ。
するとミミが話し出した。
「材料採取。無理。オリジナルの人達でも。あの場所は辿り着けない、です。」
「それは残念だね……」
「仕方ないわルーク。材料も最上級でしょうし……流通してないって事は、恐らく十神柱の人達も簡単にいけないような場所なのよ。」
ちなみにガリブとベレスはと言うと……
周りに沢山いる猫達にちょっかいをかけている。
猫たちはかなり嫌がっている様子だ......
どうやら猫にさえも暑苦しいと思われているらしい。
エリーはコミュ障なので、初対面の人と流暢に話すのはほぼ不可能だ。
.......いや盛った絶対無理。
そのため、僕らの横で置物のように棒立ちしている。
「ちなみに……材料あるだけ作って貰って......それを買ったらおいくらに?」
「んー。840億ゴールドくらい?です?」
※1ゴールド=100円
840億ゴールド=8兆4000億円
あー……ゲロ吐きそう。
え?億ゴールド??もはや軍隊が作れるじゃねぇか......
僕の全財産の8倍以上ある......借入をしてもギリギリ買えない。
流石のルシアも驚愕の金額に固まっていた。
「おけ。一括。MT精算イケる?」
「でき……ます。ここに触れて、です。」
一括だとぉぉぉぉ!?どんだけ金があるんだよ!?
資産なのかと思ってたよ!?というかうちの妹軍隊作ってたりしないよな???
神界屈指の資産家を連れているのを忘れていた。
しかし流石に申し訳なさがある。ガリブとベレスも流石に大人しくなっている。
「一応。説明、します。これ。どんな呪いでも解除する解呪薬。こっち、破損した核を回復させる薬。7粒。こっち……」
大量に出てきた霊薬や解呪薬はどれも国宝レベルの逸品だ。
「お買い物どうも。です。来れるならまた来て、下さい。」
「いえ……こちらこそどうも……」
そうして店を出たが......何ともいえない空気が流れたのだった。
「おにぃ。安くて。良かった。」
「......お前おちょくってんだろ。」
「そう。」
「こんのぉ上流階級が!!隣の原始人を見ろ!!」
そう言って僕が指を指した方では......
指計算で必死に数を数えるガリブとベレスの姿があった。
「あいつらは僕より稼ぎがかなり少ない。稼ぎのほとんどが生活費に消える。」
「ビンボー乙。」
「流石にそれは辛辣っしょ......」
どうやら経済感覚がおかしくなってしまっているらしい。
「エリーが金持ちなんだよ……」
「ん。なら金持ちの私。下級民に恵んであげる。」
「いや。流石にそれは悪いよ。何か払わせて欲しい。」
「見上げた、心かけ。ほめて、遣わす。」
「う、うぜぇぇぇ......」
ガリブとベレスが、あからさまにガッカリしたが......僕は見ないふりをした。
その後は村の民泊に泊まることになり、淡い紙灯篭で照らされる夜の風景を楽しみつつ、眠りについた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★
どうもこんにちわ。G.なぎさです!
38話ー③(最終)をここまで読んでくださりありがとうございます!
国宝級の霊薬のお値段は......なんと兆円超え。
相変わらず金にものを言わせるエリーの行動が目立ちます!
今後の主人公の運命は??
もし面白い、続きが気になる!と思った方は【♡応援】や【星レビュー】をして くれると.....超嬉しいです!!
何かあればお気軽にコメントを!
更新は明日の『『22時過ぎ』』です!
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