第30話 黒雷と巨光の轟

30話ー① 輝源エーテル






[ルーク。準備ができたわ。]


「よし。今すぐ頼むよ!!」



 僕とルシアは密かに、新しい根源共鳴の使い方を模索していた。


 お互いが離れた場所で、殺されてしまう可能性を下げるために、

 離れていても根源共鳴ができるようにしたい。


 結局完全な根源共鳴は不可能だったが、簡易的な根源共鳴には成功したのだ。

 時間にして3分。


 お互いの根源を共有した状態で強く願う。

 根源共鳴が必要だと......



「それでも......本来の根源共鳴の出力の7割......」


[そうよ。天武も発動できないわ。]



 それなりに隙はできるので、未だ実用段階ではない。

 しかし鳴神剣聖は待ってくれると信じるしかない。


 ルシアは仮想空間にハッキングをかけ、根源共有ができるようシステムプログラムを書き換える。

 そして根源共有さえできれば......根源共鳴も可能ということになる。



簡易ライト根源共鳴レゾナンス!!」


「な!?どこからそんな力……まさか!根源共鳴!?」



 僕は眩い光に包まれた。

 そして再び光の剣を顕現させる。当然傷は全回復だ。



「よし......少し弱いけど問題ない、これであなたと戦える!」


「なるほど。切り札という訳ですか。ならば……」



 鳴神聖は納刀しようとしたので、僕はすかさず光の剣を叩きつける。

 光剣の威力は凄まじく、鳴神剣聖も咄嗟に刀で防御した。


 納刀しかけた刀を抜き直したのだ。



「まさか......近くに片割れがいる?しかしここはあの方の仮想空間……例え距離的に近くにいたとして不可能なはず......まさかプログラムを!?」


「さぁどうでしょうね!殲光八連!!」



 光の剣を50mに伸ばし、圧倒的な身体能力で鳴神聖に叩きつける。

 派手ではないが、原初熾星王と戦った時とは光子エーテルの密度が違う。


 お互いが剣を重ねると、あまりの衝撃に周りの星々が砕けている。

 本来ならば結界や威力集中の『秘技』を使い、周囲の被害を抑えるのだが......


 ここは仮想空間。そんなものはお互いに必要ない。



「くっ......この威力は......それに打ち消せない、つまり術ではない.....」


「僕達の根源共鳴はちょっと特殊でね!ただの強化じゃないんだよ!!」



 文献を読む限り、本来の根源共鳴は基礎的な力を大幅に底上げするものらしい。

 僕達のように『天武』や『光子エーテル』『固有能力』といった特殊な力は発現しない。


 元々使える術の効果や、肉体性能、魔力量を激的増加させるだけらしい......



「このエネルギー......まさか父上が言っていた......輝源エーテル!?」


「戦闘中に他所事?随分余裕だな!!『滅光八連星』」



 輝源エーテル?まさか光子エーテルの正式名称か?

 これまで文献に記述が見つからなかったから、便宜上『光子エーテル』と呼んでいたが......


 しかしこれで......集中力を切らすわけにはいかない.....

 少しでも気を抜けば負ける.....



 巨光と黒雷が交差し、遥かなる天空は圧倒的な剣閃に埋め尽くされていた。


 決着の時は刻一刻と近づいている......






☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★


どうもこんにちわ。G.なぎさです!

30話ー①をここまで読んでいただきありがとうございます!


第2策の内容はシンプル!仮想空間内での根源共鳴です!

しかし、あくまで一時的な措置であるため、本来の根源共鳴より出力は低いです。

そして『天武』も使えません......


鳴神剣聖との決着はいかに!?


 もし面白い、続きが気になる!と思った方は【♡応援】や【星レビュー】をしてくれると.....超嬉しいです!!


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次回の更新は明日の『『22時過ぎ』』です!

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