29話ー➃ 神雷を超える『秘技』
「納刀。帯電。領域散開。」
「......」
「超神速抜刀術【神雷】」
「なるほど……それがかの有名な……」
超神速の抜刀術『神雷』
それが鳴神聖を最上位神4位にしている最たる理由だ。
鞘の中に刀を納刀し、自身の間合いの範囲に『領域』と呼ばれるものを展開する。
領域は探知魔法などではなく、身体操作の技らしい。
領域はイメージで言えば、感覚や神経の延長に近い。
間合いに侵入してきた物体の『重さ』や『速度』を正確に把握し、神経反射で叩き落とす身体操作の極意だ。
「踏み込んで来ない所を見ると.....これを知っているのね?恐ろしい?」
「さぁ......どうでしょうね.....」
そして何より厄介なのが『神雷』だ。
普通の居合は鞘を後ろに引き、同時に刀を抜く。
これは速度こそ早いが、威力は普通の斬撃と大きな差は出ない。
しかし鳴神聖の抜刀術『神雷』は......居合ではなく文字通りの抜刀。
鞘を体の後ろにがっちりと固定して握り、刀を「電磁気力」の加速によって射出する。
威力、速度ともに別格......
名だたる3大最上位神でさえ間合いに入る事を避け、アファフティア様でさえ無策では入らない。
......不可侵の絶対領域.....
「来ないの?ならこっちから向かう。」
「ッ.....原初神の破壊槍!!十五連!!!」
「やっぱり知ってるの......これの恐ろしさを。」
状況はかなりマズい。単に敗北するだけではない......
このまま逃げ回っていいれば、天上神界の臣民からの印象は最悪だ。
「ルシア……まだかよ。」
先程と同じように、手数の多さで勝負を掛けたが......
今度は領域の範囲に触れた瞬間......全て察知されてしまい躱される。
ただ僕も何の意図もなく、神術を無駄打ちしている訳では無い。
この技は納刀状態でしか使えない。一度抜刀さえさせてしまえば領域も途切れる。
この『不可侵の絶対領域』を攻略するには......
間合いの中には絶対に入らないように立ち回り、納刀させないよう攻撃し続けるしかない
「逃げ回るの?さっきまでの威勢はどこへ?」
「ッ……作戦の内だよ。」
「どうかしら?どちらにしろ.....」
その瞬間......当たりの空気が変わった。
不気味で恐ろしいほどの威圧感と殺気に、僕はすぐに退避準備をする。
「これで仕留める。『纏術鳴神』」
鳴神聖は先程とは打って変わって、全身が黒い電雷で包み込まれた。
そしてその放電だけで、周りにある全ての神術、罠が消し飛ばされた。
......本能だ。
......本能で自身の死を感じる.....
細胞の一つ一つがどよめき立っている。
「【秘技・黒雷一刀】」
「!?」
その刹那......僕の肉体は下腹部から肩に掛けて切り裂かれた。
「……まさか秘技まで使って両断できないとは。一体何者?」
「グハッ……それは、どうも……」
秘技が飛んでくる直前......僕は咄嗟に転移魔法で距離を取ったのだ。
もちろん座標の設定などする余裕はなく、飛ぶ場所さえ適当だ。
その甲斐もあって、秘技とやらと同時に転移魔法を発動できた。
にも関わらず斬られた......転移魔法より早く。
もし少しでも判断が遅れていれば、体は真っ二つに泣き別れしていた。
抜刀はさせたが……この怪我で『纏術鳴神』とマトモに戦える訳がない。
万全な状態でも瞬殺かもしれない。
すると僕の心に声が聞こえた。
ただの通信ではない、根源共有での意思伝達。
「ルーク。準備ができたわ。」
仮想空間にいるにも関わらず、根源共有が発動している。
これは「第二策」の準備完了を意味していた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★
どうもこんにちわ。G.なぎさです!
29話ー最終をここまで読んでいただきありがとうございます!
鳴神剣聖の更なる極地
『纏術鳴神』✖『黒雷一刀』
そしてルークがついに致命傷を!?
絶望的な状況の中聞こえて来たのは、最愛の彼女からの準備完了の合図......
仮想世界の中で、主人公達の新たなる試みがぶっつけ本番で炸裂する!?
もし面白い、続きが気になる!と思った方は【♡応援】や【星レビュー】をしてくれると.....超嬉しいです!!
何かあればお気軽にコメントを!
次回の最新30ー①「輝源エーテル」
ついに垣間見える「光子エーテル」の謎!?
そして『鳴神剣聖』のあまりにも驚くべき出生とは??
更新は明日の『『22時過ぎ』』です!是非ご覧ください!!
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