19話ー➂ 女...コワッ......
――帰還後――
僕らは基本的な事務処理や手続きを終え、再び魔導神ソロモンのいる応接室に来ていた。
「ご苦労さま。大変な依頼だっただろうね。もちろん報酬にはかなり色を付けておくさ。」
「ありがとうございます。」
「それで?どんな方法で原初熽星王を倒したのか詳しく教えて欲しいな。報告書には二人が倒したと書いてあるものだから気になってさ。」
さてどうしよう……根源共鳴のことは隠しておきたい。
あれはあくまでアファルティア様だから見せたのだ。
以前にも話したが片割れは方方が死ねば、もう片方も死んでしまう。
根源共鳴ができると教えるのは、この事実を教えるようなものだ。
「はぁ……ギリギリ命をかけた戦いだったのですよ?私も補助しましたし。次このような依頼を二人に渡したら、天翼王として抗議させて貰いますから!」
なんて優しい女神様!!!神スギぃ!!
それとなく話を変えて下さるとは......もう聖人だこの方。ナイスでぇぇす!!
「君の結界のせいで中での戦闘が全く見えなかったものでさ。でもアファルティアも魔力がかなり減ってるし、嘘ではなさそうだ。」
「永続的な神法での補助に、最後は超巨大ブラックホールを停止させ、天翼波で消滅させたのですから。」
なるほど……
あえて魔力を多く使う方法をとったのは、ここで辻褄合わせをする為だったのか!!
「あの時は何から何までありがとうございます。」
するとルシアも察して便乗をしてきた。
「先程の身体強化神術?是非教えて頂きたいです。」
「ふふ。あれは身体強化の術ではないのですよ?あなた達に流れる時間を、少し操作したのです。理論的に術として神術化できているので、そちらで良ければ是非。」
「いいのですか!私たちなんかでよければ是非教えて下さい!」
そんなもの戦闘中かけて貰っていない。
何とも演劇を見ているようだった。
これが女同士......阿吽の呼吸スゴイ……
「ではソロモンさん?もう私たち戻ってもよろしいでしょうか?」
「ん?あぁ。時間を割かせてすまないね。例に今度何か奢るよアファルティア。」
「いいえ。結構です!ニコ」
なにその笑顔コッワ......
……この二人仲が悪そうには見えないが......どうやら相性は最悪のようだ。
すると帰り際の廊下で、アファルティア様が教えてくださった。
「あの色男は正妻が八人に側室十五人。愛人が三十人近くいるんです。お気をつけて。」
「えぇ!?」
「……怖いですね。」
今日一番の衝撃カミングアウトであった。
そうして僕らは応接室を後にした。
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