30話ー➃ 巨光と黒雷の結末





 覆い隠す粉塵はいつしか晴れ......ついには結末を映し出す。



「ゴハッ。まさか……私の奥義が一時的でも超えられるとは……」


「……」



 ......負け...た......?



 撃ち合いでは確かに勝った......

 しかし致命傷は与えられなかった......


 鳴神剣聖は大きな傷を負ったものの、まだ戦闘続行が可能な状態。


 それに引き換え僕はもう動けない。

 今の状態から少しでも力を入れれば、恐らく崩れ落ちる......


 鳴神剣聖は、こちらの方が速いと分かった瞬前......咄嗟に躱したのだ。

 僕を斬り付けながら躱した。


 その時の鳴神剣聖の斬撃を、僕も食らっていないのだが......

 仕留め損ねた時点で、僕の負けが確定してしまったのだ。


 しかし......



「私の負け。模擬戦闘を終了して。」


「なっ……」



『鳴神剣聖』は自身の負けを宣言した。


 すると仮想空間が解除され、コロシアムのような場所になっていった。

 当然ダメージは全て回復している。



「あなたの勝ち。良かったですね?」


「待って下さい!あなたはまだ戦闘続行出来たはずです。あと一太刀で倒せたはず.....どうしてですか!」



 実際もう動けなかったし、魔法も神術も使えなかった。

 文字通り「まな板の上の鯉」だったのだ。



「中継が終わったら敬語?訳なんで簡単。撃ち合いの真っ向勝負なのに私は避けた。実戦の癖で避けてしまった。そもそも撃ち合いで決着をって話だったでしょう?だから私の負けは当然。」


「……勝たせて貰ったようなものです。実戦ならもう僕は死んでいます。」


「実戦ならね?でもこれは違う。 勝たせてもらった?そうかもしれない。 だからこれは貸しにしとく。偉くなったら返しに来なさい。話を聞きたくなったら連絡して。」


「はい……本日はありがとうございました。」



 そう言って鳴神剣聖は去っていった。

 僕はその細い女性の背中に、さらに強くなる事を誓った。





 控え室に戻ると、ルシアがツンを捨てて抱きついてきた。



「ルーク!!良かった……カッコよかったぁ、負けちゃうかと思ったぁ......」


「ルシアも色々ありがとう。君がいなかったら......ボロックソのボロボロのボロ雑巾にされて負けてたよ。」


「......流石にその言い方は......くどくない?」


「あ。ツッコミ性能は健在なのね?」



 途中若干逃げ戦法を使ったが……

 最終的には『印象的に勝つ』という当初の目標を達成する事ができた。


 あの時、僕は既に動ける状態ではなかったが......


 何となぁく、戦えそーうなポージングをしていた。

 なので国民には戦闘不能だった、というのは伝わっていないだろう。



「今日は何でも言って。私今日は何でも言う事聞く!」


「なん……でも??」



 ルシアは完全に墓穴を掘った。

 それだけ僕の勝ちが嬉しくて、興奮状態なのだろう。



「あ……で、できる範囲でね?」


「今夜は裸エプロンに恥ずかしいプレイだな。よし決定。」


「いや……それは……ぐぅ。」


「あっ。了承すんだ。もっといっとくんだった......」




 しかし、そんな夫婦での会話をしていると......



「おめでとー。頑張ったね......」



 どこからともなく、そんな声がしてきた。








 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★


 どうもこんにちわ。G.なぎさです!

 30話ー➃をここまで読んでくださりありがとうございます!


 鳴神剣聖との戦いは、一応ルークの勝ちという形で決着です!

 そのまま打ち合っていたら結果はどうなっていたのでしょうか??

 予想などあれば是非!


 もし面白い、続きが気になる!と思った方は【♡応援】や【星レビュー】をしてくれると.....超嬉しいです!!


 何かあればお気軽にコメントを!


 次回は30話最終回です!

 更新は明日の『『22時過ぎ』』です!

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