25話ー➁ やっぱりルシアはポンだった......





 そうして僕らは、惑星移動用の魔道船に乗り、のんびりと移動をした。

 惑星間とは言ってもそこまで離れてはいないのだが、やっぱり旅行に雰囲気はつきものだ。


 そうして僕らは『第5惑星アルケコリフィ』に到着した。



「うぅん!日の光が気持ちいわぁ。」


「第五惑星......人工太陽ですよ?」


「......インドアにはこのくらいが丁度いいの!!き、気づいてたわよ?」


「......無理すんな。」



 第5惑星は中世ヨーロッパのような外観で、ウィーンのような街並みをしている。

 大きく開けた大通りには、6階建てほどの少し大きめの建物が並んでいる。


 そこから首都城である、アルス城の上部が僅かに見えている。

 その城は巨大で荘厳、天頂神城という異名に相応しい神界最高の建築城である。


 アルス城は初代全神王が作ったとされる城だ。

 しかし、それにしては老朽化してなさすぎる。


 3代目即位時に権威を広めるために、建設されたのでは?と僕は考えている。



「久々に来たわ。第5惑星の首都アルスタリア。やっぱり綺麗ね。」


「何というか......洗練されてるよね。とりあえずキスしていい?」


「ふぇぇ!?ダメに決まってるでしょ!!」


「......流石に騙されないか。」



 しかしまぁルシアの可愛い反応が見れた、という事で良しとしよう。

 ちなみに僕はOKだと言われれば実行する。


 そうして観光を開始した。



「半日停泊するらしいから、その間は観光だね。」


「それって出発は夜中ってこと?何か......興奮するわねそういうの!」


「何でだよ!?」



 いい子ちゃん過ぎない?夜はお家に帰るってこと?


 どうやらウチの嫁は、用事がなきゃ夜中外を出歩かないらしい。



「そうだルシア。第5惑星は第7惑星程じゃないけど、剣の取引が盛んなんだ!前にそろそろ剣を変えたいって言ってたし探してみたらどう?」


「絶っ対にあなたが見たいだけでしょ......でもそうね。私は剣を買い換えて来なかったし、ここらで一生モノの名剣に出会えれば嬉しいわね。」



 ルシアは基本的に、オールマイティに幅広く武器をを使いこなす。

 しかし、僕と比べると剣での近接戦闘の頻度は少し低く、近接になっても杖で戦う場合が多い。


 そのため僕に比べると剣の必要性が下がるのだ。


 オマケに......領地から出ないこの性格だ。

 機会を与えなければ、通販で日用品を買うだけの、自堕落な生活を続けるだろう。



「という訳で探しに行ってみようか!!」


「私の剣探しよ?そこ忘れないでね?」



 そうして僕らは色々な武器屋を探し回った。





「中々ないわね......そもそも既製品で手に馴染むものなんてあるの?普通こういうのは特注品よね?」


「ルシアの剣ってちょっと特殊な両刃の細剣だもんね......」



 基本的に細剣は、突きを主体とする剣術を前提に作られる事が多い。

 しかしルシアの神剣サリモスは、切断重視の剣術にも対応する不思議な掘り出し物なのだ。



「振って切れるし、折れないし曲がりにくい、更に軽いなんて優れものないわよね。」


「あっはは。そんなのもう神話に出てくるような国宝級の武器じゃないか。」



 ......


「お困りかい?それでは私の武器屋を見ていかないか?」



 振り向くとそこには、深紅の服を来た茶髪の美青年がいた。


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